バングラデシュ

バングラデシュでUberのようなタクシ-配車サービスが開始

2014年より東京でもサービスが始まっているUberというサービスをご存知だろうか?簡単に言うとスマホを使ったタクシー配車サービスなのだが、面白いところは登録に自家用車の利用を可能にしている点で、スマホで検索をするとタクシーのみならず、その近くにいる自家用車の登録者たちが来てくれて希望の場所まで乗せて行ってくれる。業者としての登録がいらない、自家用車で隙間時間で小銭稼ぎができるといったことから、アメリカを中心にものすごい勢いで普及が進んでいる。「タクシー事業者を潰すことになる!未登録は違反だ!」と各国のタクシー団体が反対声明も出している。実際にサンフランシスコ最大級のタクシー会社が2016年1月に破産したのも偶然ではないだろう。同様のコンセプトをホテルに取り込んだAirbnbと並んでシェアリング・エコノミーの代表的存在である。

そのUberに似たサービスがバングラデシュで始まるという記事を見つけた。BDcabsというサービス名でトルコのスタートアップ企業が出資をしているとのこと。ダッカのようなタクシーのほとんどいなくてリキシャ(自転車タイプの人力車)・CNG(タイのトゥクトゥクのような三輪車タクシー)が中心の街でタクシー配車サービスが流行るわけないだろう!とサイトを見てみると、なんとCNGも対象になるらしい。スマホを持たないCNGドライバーにどのように配車指示が出るのか、お金の受け渡しはどうなるのかなど非常に興味がそそられるところである。

ただ、現実的な観点からいうと、おそらくサービス開始地域である首都ダッカでは、以下の4つの理由から難しいビジネスになるのではと推測される。一つ目は渋滞である。ダッカの渋滞は世界最悪クラスで、特に夕方は1時間で数十メートルなんて事態もザラであり、呼ばれて顧客の希望時間内にたどり着けない可能性も高くトラブルに発生することが多発するのではと考えられる。二つ目はリキシャ・CNGの多さで、日本では考えられないが、日常生活で外を歩いてて視界にリキシャもCNGも入らないことはないというくらい数が多く(ダッカだけで225,000台(2014年))、アプリを使わなくても簡単に拾えてしまうという点である。3点目は価格決定についてで、交渉が前提のバングラデシュにおいて事前に支払い額を決めることが可能かという点である。上述のように渋滞都市のため、かかった時間や荷物の量などを加味して交渉が行われる中で、事前調整が可能か疑問である。そして最後が支払い方法で、現金社会においてどう対応するのだろうか。現金だとBDcabsが手数料をどうやって確保するのかも気になるところである。

と否定的な見解が中心となったが、自家用車にもドライバーを雇う文化であるバングラデシュと考えると潜在的な登録ドライバー層は非常に厚いのも事実である。朝晩の通勤にだけ車を使って日中はドライバーが暇しているという方、ドライバーが日中にこっそり副業しやすい環境が整ってきたので気をつけたほうがいいかもしれませんよ。このサービスを使った方はぜひ感想を教えてください。

 

ICT for Development.JPより転載

Comments are closed.