ルワンダ

Vision 2020を超えて-ルワンダのこれからの開発課題

Photograph: Kenshiro Imamura/JICA
Photograph: Kenshiro Imamura/JICA

ルワンダの「知識基盤型経済」を議論したパネル・ディスカッションですが、後半では、パネリストがそれぞれの立場から、ルワンダがこれからの10年間、引き続き「知識基盤型経済」を目指していく上での課題を指摘しました。

産業構造の転換と、新しい産業のニーズに応じた人材の育成は、引き続き重大な課題です。パスカル校長(トゥンバ高等技術専門学校)は、国家政策が掲げる3つの課題「アクセス、質、妥当性(relevance)」のうち、職業訓練へのアクセスを最大の課題としてあげました。年間20万人の雇用創出は、毎年新しく学校を卒業する人口約20万人を吸収するために設定された数値目標です。多くの学生に職業訓練を提供するため、トゥンバをはじめ、全国の職業訓練校が「国家雇用計画(NEP)」の下で、TVET(技術系の教育・職業教育)へのアクセス向上を目指しています。他方、生徒数の急増に対応しながら、市場のニーズに応える教育内容の妥当性と質を確保し続け、学生が卒業するだけでなく仕事を得られるようにし続けることも、非常に難しい課題と考えられます。

Photograph: Kenshiro Imamura/JICA
Photograph: Kenshiro Imamura/JICA

経済成長とともに、援助依存からの脱却が進み、今後は民間セクターの役割が更に重要になってきます。民間セクターを代表して発言したクラリス(HeHe Labs Ltd.)は、民間セクターの発展のために、政府による規制枠組みの効率化とインフラ整備が必要と訴えました。これまでのルワンダでは公共投資が大きな役割を担ってきましたので、民間投資の活性化を促すような政策が大きな課題になっています。クラリスは、民間セクターの活力やICTを活かしながら社会問題を解決していくために、産官学の連携強化を図っていきたいと話していました。

インフラの整備については、アフリカ開発銀行のリチャードからも、重要性が指摘されるとともに、人々が求めるインフラ整備のニーズに如何に応えていくかという問題提起がありました。今後のインフラ整備は、地方の遠隔地域への拡大が求められ、住民からは迅速な整備への要望がますます高まっていきます。こうしたニーズに応えながら、如何にインフラの質を落とさずに整備していくか、引き続き「質の高いインフラ」を提供する方法を考える必要があります。また、急激に拡大したインフラを維持管理していくために、政府・公的機関の能力が重要であり、人材育成・能力開発のニーズも見逃すことは出来ません。

最後に、国全体の発展を監督している財務・経済企画省のフランソワ・セカモンド(Francois Sekamondo)からのコメントは、国の方向性を考える上で重要なものでした。「貧困削減と格差の是正」。「知識基盤型経済」を謳っているルワンダですが、地方にはまだまだ極度の貧困が残されています。セカモンド氏は、今後の10年間も、「知識基盤型経済」を目指して発展していくとしても、残された貧困を置き去りにすることなく、格差を是正しながら発展していくことが重要と述べたのでした。ルワンダには、社会の断絶が生んだルワンダ大虐殺という重い歴史があり、この国にとって包摂的(inclusive)な開発は不可欠だということが分かります。

次回は最終回、ルワンダの今後の発展に対して開発協力が果たす役割を考えたいと思います。

 

 

  (JICAルワンダ事務所次長 室谷龍太郎)

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