ソマリア

世界銀行がホストコミュニティ支援に175百万ドル、アフリカの角難民

Photograph: UN News
Photograph: UN News

「世界の関心が中東地域の難民問題に集まっているが、アフリカで長期化している難民問題にもっと目を向けなければならない」世界銀行キム総裁は語気を強めた。

アフリカの角と呼ばれる東部アフリカ諸国で、世界銀行がホストコミュニティ支援を開始する。1990年代初頭から続くソマリアからの国外避難民問題が隣国の国内問題化しつつある。実際、ケニア政府は世界最大のダダブ難民キャンプを閉鎖すると発表し、国際社会のケニアに対する支援が不足していることを訴えてきた。

世界銀行はこうした状況に対応するために、周辺のホスト国に対して大規模な資金援助を実施する。エチオピアへ100百万ドル(約110億円)、ウガンダへ50百万ドル(約55億ドル)、ジブチへ20百万ドル(約22億円)を、最貧国向け優遇条件での貸付枠組み(IDA)を通じて融資する。また、アフリカの角地域の干ばつ対策などに強みを持つ地域国際機関(Intergovernmental Authority on Development: IGAD)に対しては5百万ドル(約6億円)を無償提供する。案件名は、「The Development Response to Displacement Impacts Project (DRDIP)」。

アフリカの角地域では、950万人が移動を余儀なくされている。この内、650万人は国内避難民(IDPs)、300万人が国外避難民と見られ、地域が一丸となった対応が求められている。

こうした国際機関によるホスト国に対する支援は、難民受入国の負担を軽減するだけでなく、地域経済・社会に対しても好影響を与えることが期待される。

 

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