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カンボジア人の時間感覚-効率、時間と文化の狭間で

カンボジアレポート 14-効率、時間と文化の狭間で

3月25日 SvayRieng (Cambodia)

写真: お寺の猿。3月26日撮影 (2006年 THE POVERTIST / Ippei Tsuruga)
写真: お寺の猿。3月26日撮影 (2006年 THE POVERTIST / Ippei Tsuruga)

腰にクロマーを巻いたユーさんがシャワーから出てきた。
クロマーはカンボジアの民芸品だ。綿生地の美しい色合いで織られたスカーフのようなものである。カンボジアの人はこれを首や腰に巻いたり、手ぬぐいとして使ったりする。生活に深く根付いたカンボジアの文化である。
ユーさんはシャワーから出てくるなり僕に一言投げかけた。「みんな待ってると思うから先に下りてていいよ」と。ユーさんが出てくるのを待っていた僕としてはずっこけずにはいられなかった。
下へ降りていくと既に皆待ちくたびれてしまっていた。当然、全員が揃っていた。四方八方から僕に一つの質問が投げかけられる。「ユーさんは?」僕はこう 答える。「シャワー浴びてます。」一同、「あぁ、カンボジア人だなぁ」と納得する。これはカンボジア人らしくノンビリしてるなぁという意味だろう。
古きよき日本が持っていたもので、日本人が失ってしまったものを、カンボジアではたくさん体験することができる。たとえば、今回のユーさんの件もそれである。
日本は効率化を追求することによって経済成長を進めてきた。職場ではもちろんのこと、お父さんやお母さんは朝早くから夜遅くまで働き、なるべく短時間で家事をも行った。生活の全てが時間を効率よく使うことによって成り立ってきたのである。
カンボジアではどうだろうか。日本でユーさんが日課であるシャワーを浴びて集合時間に遅れるとすれば、それは「非常識だ」といわれるかもしれない。しかし、カンボジアでは「日課なんだからしょうがないじゃない」といわれることもあるだろう。
日本人は15分のシャワーの時間は無駄と考え、次の行動に15分を充てた方がよいと考える。その結果今回、日本人全員がすぐにロビーに集まったのである。
僕は、効率化を追求するあまり、ノンビリ過ごせる時間を自ら削ってしまっているのかもしれないなぁ、と感じつつロビーでユーさんを待っていた。

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