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THE POVERTIST 2018年11月1日号

Photograph: Ippei Tsuruga

CURRENT EDITION

日常の課題 2018年11月1日号

何の変哲もない日常に課題は潜んでいる。バンコクの街角のお粥屋での日常を切り取った一枚。この一枚には食、女性、労働、経済、産業といった日常が詰め込まれている。路上へ出てみて欲しい。何もない普通の日常に課題が潜んでいる。

しかし、開発途上国が抱える諸問題や解決策を議論するとき、私たちは無意識に「非日常」を思い浮かべてはいないだろうか。開発援助の実務家や研究者は、専門性や経験をどれほど積み重ねても、部外者である事実を変えることはできない。精一杯想像を巡らせても、外から見た風景をもとに、政策を考えたり事業を実施したりしなければならない。それはある意味で非日常である。

日常の風景を非日常の視点で見つめる。二つのレンズを重ね、ピントを合わせることによって開発課題の本質が鮮明に見えてくる。

CONTENTS


01 新興国の一大産業、戦略の舵は誰がとるべきか(後編)
Story / Pakistan / Aya Fujita / 記事リンク
パキスタンの産業政策を取り巻く開発援助機関。調整に関する課題と解決策について提言。


02 人道支援にとっての試練
Opinion / Afghanistan / Hideaki Nakajima / 記事リンク
世界中でより多くの人々が紛争から逃れようとしているのに、人道支援者の手はよりきつく縛られようとしている。


03 紛争影響下のGBV-IPVを取り残さない
Opinion / World / Miyachi Kanako / 記事リンク
紛争影響下で親しいパートナーから受ける暴力。夫やパートナーからの暴力。


04 自然災害から逃れるブルンジの国内避難民
Column / Rwanda / Miho Mitobe / 記事リンク
最貧国ブルンジ。自然災害で増加する国内避難民。


05 被災するインドネシア、地震と失業と雇用保険
Column / Indonesia / Ippei Tsuruga / 記事リンク
地震による失業と所得補填への対応は先進国だけの問題ではない。


06 NGOで働くための覚悟をもつまで-難民キャンプでの生活について
Story / Ethiopia / Yoshihiro Saito / 記事リンク
エチオピア西部ガンベラ難民キャンプでの生活と活動。


07 国際機関邦人職員インタビュー:ILO 敦賀一平さん
Interview / World / JSAG / 記事リンク
ジュネーブ国際機関日本人職員会とのコラボによるインタビュー。


08 一粒のコメ、持続可能な消費
Column / World / Hiroyuki Konuma / 記事リンク
コメ粒から考える地球規模課題。


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09 途上国での薬を巡る課題-医薬品アクセスと知財の関係
Column / World / Haruka Sakamoto / 記事リンク
低中所得国では財政的余裕がないために、多くの人が治療に必要な医薬品を手に入れられない状況にある。


10 経済成長、進むスラム化
Column / Southeast Asia / Hiroyuki Konuma / 記事リンク
過疎化が進む、東南アジア。経済発展とその裏側。


11 ルワンダのジェンダー予算と女性のエンパワーメント
Column / Rwanda / Miho Mitobe / 記事リンク
ジェンダー予算を運用するルワンダ政府の取り組み。


12 開発の仕事に就くまでの道のり
Column / World / Yoshihiro Saito / 記事リンク
大学時代、商社時代、NGO時代。これまでのキャリアを振り返る。


13 今、戦場に立っている
Column / World / Ippei Tsuruga / 記事リンク
政策論争と政治の駆け引きが入り乱れる戦場のど真ん中に陣を構える。


原稿募集

THE POVERTIST編集部では、開発途上国の課題や政策を学ぶ大学院生・研究者・実務家の方からの原稿を随時受け付けています。掲載をご希望の方は、毎月15日までにメール(THEPOVERTIST@YAHOO.CO.UK)で原稿をお送りください。なお、編集にかかる一切の費用はお受けしませんが、報酬もお支払いしていません。執筆の参考としてガイドラインを以下に掲載します。ただし、厳格な制約は設けていないので、執筆内容については個別にご相談ください。

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