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青年海外協力隊の公式ブログはAKB48のビジネスモデルなのか?

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開発途上国で活躍する日本人は珍しい

青年海外協力隊(通称:JOCV)の開発途上国ブログをフォローしている読者の方は多いと思います。最近では、多くのテレビ番組が、「こんなところに日本人」、「世界で活躍する日本人女性」など、いろいろな切り口でJICAや青年海外協力隊の関係者を紹介しています。

開発途上国で生活し、仕事をする。それ自体がコンテンツとなる時代の到来を感じさせます。

特に、青年海外協力隊は、39歳以下の若者が数年開発途上国で仕事をする機会を提供するプログラムで、多くの民間企業が企業研修に活用し始めているほど、期待を集めています。

 

 

青年海外協力隊の個人ブログをフォローしていますか?

このように注目されている青年海外協力隊ですから、個人ブログをフォローしている人が多いのではないでしょうか。こんなまとめ記事まで書かれていたりしますし、相当多くの方が読んでいるのではないかと思います。

ちなみに、私のお気に入りはこちら。ネパールに派遣されている青年協力隊員のブログで、更新頻度が高いだけでなく、内容が多岐に亘り、時々ぶっとんでいます。

 

実は、青年海外協力隊の公式ブログがある

JOCV Blog

さて、本題です。実はあります。公式ブログ。

青年海外協力隊を派遣している国際協力機構(JICA)が、実は、公式ブログ「JICAボランティアの世界日記」を密かに運営しています。

そもそも、JICAが青年海外協力隊を派遣しているとはご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、れっきとした公式ブログです。

活動している国、分野、派遣タイプからお気に入りの隊員のブログを検索することができます。

隊員によって更新頻度はマチマチですが、圧倒的な隊員数により、毎日数件の記事がアップされているようです。

現場から直接本人がレポートする、最強のメディアコンテンツだと感じます。

 

AKB48と同じビジネスモデルなのか?

AKB48 Logoこの公式ブログの狙いはどこにあるのでしょうか。積極的な理由と消極的な側面があると思います。

まず、消極的な理由。運営側からすれば、個人ブログが乱立するとほぼ無法地帯となり、コントロールできなくなるリスクがあります。個人ブログは多くの場合匿名で書かれているので、関係者による組織や個人に対する感情的な批判の場になるリスクです。これを記名でかつ、公式ブログで発信の場を提供することでリスク軽減となるのでしょう。

一方、積極的な側面もあります。AKBやおニャン子クラブ的な発想です。つまり、公式ブログでは、青年海外協力隊員本人を検索できるシステムになっています。好きな隊員を検索して、毎日ブログをフォローすることが可能となっています。

これはまさに、AKBと同じモデルではないか。身近に協力隊員を感じ、ファンとしてブログをフォローする。なんと斬新な発信方法なのでしょう。皆さんも是非、「推しメン」隊員を探してください。

しかも、RSSで隊員個人のページを購読できるようになっています。これはもう、AKBですね。日本人が開発途上国にいるというだけでコンテンツになる時代ですから、ビジネスモデルとしては素晴らしいと思います。

ちなみに、AKB48のファンクラブ名は「二本柱の会」ですが、青年海外協力隊のファンクラブができれば訓練所のある二本松にちなんで「二本松の会」がぴったりきそうです。

AKB48 Fan Club

 

青年海外協力隊の公式ブログの「惜しい」点

開発途上国で活躍する日本人が自分の声でドンドン発信したら面白い。そう思って、The Povertistを始めました。今回ご紹介した公式ブログは、ある意味でThe Povertistがやりたかったことを実現している点で共感します。

「ここをこうしたらもっとよくなる」と思った点もありました。

ブログの見せ方です。個人ブログを検索するシステムは良いのですが、逆に言えば、検索しなければ記事へたどり着けないのが惜しいです。「推しメン」を探すには良いシステムですが、開発途上国の出来事に関心のある読者も多いと思います。

 

青年海外協力隊員の皆さん、The Povertistへ投稿しませんか?

「推しメン」の引き抜きではありません。公式ブログと当サイトの読者層はだいぶ異なると思いますので、読者層の重複はありません。公式ブログへ投稿している隊員の中には、開発課題を分析し、検証している人もいれば、日常の出来事を日記として書いている人もいます。

The Povertistでは前者の隊員の皆さんからの投稿をお待ちしています。現場の出来事は「おもしろいコンテンツ」だけではなく、開発援助を生業とする実務家にとって、実際の政策分析・立案、案件形成に大いに役立つ「リアリティの宝庫」です。

企画、投稿などお気軽にご連絡ください。ご関心あれば、躊躇なく以下のリンクをクリック。お待ちしています。

 

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