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サッカー選手の夢破れ、国際協力の世界へ

連載『サッカー選手の夢破れ、国際協力の世界へ』

高校時代に自身が経験した貧困体験、サッカー選手になれなかった悔しさを元に、国際協力の専門家になることを夢見て一念発起。JICAでのインターン、総合商社、国際NGO、英国大学院を経て国際機関で勤務する筆者の経験談。

  1. サッカー選手の夢破れ、国際協力の世界へ
  2. 開発の仕事に就くまでの道のり
  3. NGOで働くための覚悟をもつまで-難民キャンプでの生活について
  4. アフリカ式マネジメントTIA (This Is Africa)-ガンベラ難民キャンプ
  5. 銃撃戦に巻き込まれて
  6. 難民キャンプから英国開発学研究所という選択肢
  7. 国連での仕事とそのモチベーション

現在、国連開発計画(UNDP)アフリカ地域事務所にて(平和構築分野)勤務しております、齊藤と申します。大学生の時、「国際協力」の仕事に就きたいと思っていました。しかし、具体的にどういう仕事があるのか。そのために何を身につけなければいけないのか。どのような経験がそのために必要なのか。納得のいく答えにたどり着くことができなかった経験があります。そのため、自身の経験を通じて得たもの、なぜこのような選択をしたのかについて、シリーズとして掘り下げることで、将来国際協力の仕事に就きたい人に何かしらの示唆を与えることができたらと考えました。

私は世の中の不平等や貧困問題に興味を持ち、漠然と国際的に活躍できる人材に憧れを持っていました。しかし、職業としてどのような選択肢があるのかといった情報がとても乏しい環境で育った経験があります。この連載を通じて誰かが何かしらのヒントを得てくれたらとても嬉しく思います。

静岡県のとある田舎街に生まれ、物心着いた頃からサッカー選手になることだけを考えてきた私は、高校時代に父親の経営していたお店の経営状況の悪化により、一家で借金を負う等、「貧しさ」を身を持って経験しました。

サッカー選手を多数輩出している強豪校に進学しましたが、家にお金がないことで、サッカーの海外遠征に参加することができなかった悔しさは今でも自分の原動力になっています。なぜ生まれた国や家の環境によって、自分の夢を諦めなければならない人間がいるのか。なぜそういった世界になってしまったのか。こうした疑問に想像を膨らませていた高校時代。

サッカー選手になれなかった悔しさをバネに、「貧困格差」、「国際関係」の勉強に大学時代は勤しみました。夏休み等を利用して、アルバイトで貯めたお金で途上国を周り、ボランティア活動に従事する中で、格差の一端を垣間見た経験から、将来は、自身も経験した「貧困問題」に関わりたいと思うようになりました。また、紛争地域を訪れた経験より、「貧困問題」が一因となり、起こっている「紛争問題」を見る中で、貧困解決×紛争問題といったテーマの専門家になりたいといつしか心のなかでの想いが固まっていきました。

そんな私は、新卒で民間企業という選択肢を選ぶわけですが、そこに至った経緯、そして、民間企業で学び、現在の仕事に役立っていること等を次回の投稿で説明させて頂ければと思います。

THE POVERTIST 2018年9月1日号

新興国の挑戦 2018年9月1日号 好況が続く世界経済は、中所得国を高所得国へ押し上げただけではなく、多くの低所得国を中所得国へ「卒業」させた。「中所得国の罠」で語られるように、中所得国は特有の新しい挑戦に立ち向かわなければならない。

THE POVERTIST 2018年8月1日号

残された課題 2018年8月1日号 暗い影を落とした金融危機の記憶はとうの昔に人々の脳裏から離れ、好況に沸く世界経済の恩恵を多くの人々が笑顔で迎えている。経済成長が貧困削減を推し進め、広がる格差に歯止めを掛ける政策は後手に回っている。

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