南スーダン

赤軍、28州問題にかかる国連の発言を批判-南スーダン

Photograph: Google Map
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国連事務総長特別代表エレン・マーガレット・ロイ女史は5月4日水曜日、「昨年10月に大統領令により28州が新設されたことにより、州境を巡って民族間の緊張が高まっている。国連は公式に(28州の設立を)認可していない。」と指摘。同氏は暫定政権に対し、緊張を緩和するために迅速な対応を行うよう求めた。

これに対し赤軍協会代表のダニエル・デン・ボル・アルアイ氏は昨日5月6日の記者会見において、「我々は既に南スーダンに存在している28州に関するロイ女史による無責任かつ無礼で不快な発言を激しく非難する。南スーダンは独立共和国家であり、その主権は他国同様に尊重されなければならない。これは内政干渉であり、国連のマンデートから逸脱している。個人的にはロイ女史は南スーダンに駐在する資格はなく、追放されるべきであると考えている。ロイ女史の心からの謝罪を求める」と発言した。

 

解説/コメント

南スーダン共和国は2011年7月に独立して以来、独立前の統一スーダン時代から存在していた州を継承し中央エクアトリア州、ジョングレイ州等含む10州を保ってきたが、2015年10月の大統領令により唐突に28州に再編された。これに対しSPLM-IO(反政府勢力)は当時からこれを認めない立場を貫いており、先月和平合意を元に樹立された暫定政権においても、本件は事実上棚上げされた状態が続いている。赤軍(Red Army)は1980年代初頭にスーダン人民解放軍(Sudan People’s Liberation Army: SPLA)が統一スーダンから独立を目的に訓練した12歳前後の少年兵を指し、赤軍協会は元少年兵の当事者団体。政府擁護の立場にあり、SPLM-IOと真っ向から対立する構図となっている。

このように和平合意があったとはいえ、水面下では権益を巡って政治的な駆け引きが続いている状況にある。国連事務総長特別代表の発言は、これまでもしばしば国連と政府の関係を冷え込ませる原因となっており、路上において国連車両に対する交通警察によるハラスメントが起こっていた。

 

引用元:Red Army Criticizes UN Remark On 28 States (THE NATIONAL TODAY – 2016年5月7日)

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