タイ

セックスの街バンコク

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東南アジアレポート 2-セックスの街バンコク

2007年11月9日 Beijing (China)

何とか乗り継ぎ方法を確認した後に待っていたのは、予期せぬ知らせだった。バンコク行きの搭乗時間がせまっても、電光掲示板にはその乗り場ゲートは示されていなかった。4時間待ちの乗り継ぎ時間は見る見るうちに過ぎ去り、ようやくわかった事実は3時間の遅延で、出発時刻は夜中の23時過ぎとのこと。その日の天候は晴れ。他の全便は通常運行しているのに何故かバンコク行きだけが遅れているとのことだ。悪名高い中国国際航空に少々の不安を覚えながら定刻まで時間を潰すことにした。

時間も時間だったため、お腹の虫がオーケストラを始めた。東京フィルハーモニーも真っ青の大演奏会だ。何しろ10時間前に食べた豚丼以来何一つ口にしていなかったのだから無理もない。当初の予定では20時の飛行機でバンコクへ向かうつもりだったため、機内食が夕食となるはずだった。当然、中国元は持ってい なかったし、全て中国語で書かれた空港内で夕食をとることは簡単なことではなかった。結局、US$を使うことのできるカフェで小さなパンを買って食べることにしたが、全く空腹は満たされなかった。

ここで面白い出会いをすることとなった。カフェでパンを食べていたときに、黄色のYシャツにスーツを着た白人ビジネスマンが話しかけてきた。彼の名前はスティーブン。とてもゆっくり話すので初め、アメリカ人かと思ったがイングランド人とのこと。たしかにアメリカのアクセントとは違っていたけれども。彼は香港の銀行マンで、北京で会議に出席した後、お昼の便を逃してしまったらしく、夜の便を待っているところだった。日本の金融機関に12年勤めた後、香港へ移り、今に至るとの事で、日本の事情もよくわかっているようだった。1995年の段階で銀行マンの彼にとって日本でやることはなくなったと彼は言っていた。どうやら彼はどこかの銀行のトップかそれと同じくらいの地位で仕事をしている人のようだった。

その後、どうして僕が東南アジアへ行くのかという話になった。「開発援助機関で働いている人に会って、話をしたいんだ。」というと、彼はそれに興味を持っ たのか、込み入った質問をたくさんしてきた。それに答えているとどんどん時間は過ぎ、最後に、「君は完全に純粋な人間だね。その道を変えないで頑張ってよ。なんだかすごくいい話を聞いた。ありがとう。」とお礼を言われてしまった。全然違う世界に住む人との会話はとても興味深い。

バンコクについて、「sexしかすることのない街。君が行って楽しいような所ではないよ。」と言った彼に、「バンコクは空港があるから行くだけの街。そこ ですることは何もないし、別に興味もそれ程ない。着いたらすぐ他の街へ行くよ。」と答えた。実際に、僕のバンコクに対するイメージが、彼の意見と全く同じ になることはこの時はまだ知る由もなかった。

彼と握手で別れ、飛行機にようやく乗れたのは夜中の12時を回っていたように思う。

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