カンボジア

タケオのゲストハウスにて-プノンペンの喧騒を忘れる瞬間

Guesthouse in Takeo
Guesthouse in Takeo

東南アジアレポート 20-タケオのゲストハウスにて

2007年11月17日 Takeo (Cambodia)

タケオの湖が赤く染まり、西の空に夕日が沈んでいく。下校途中の学生や仕事帰りの大人たちが湖の畔を軽い足取りで戻っていく。ゲストハウスの2階テラスでゆったりと眺める景色は、時間を忘れさせてくれた。昨夜プノンペンで買ったパンをほお張る。ふとその時、一人のカンボジア人が僕の横に腰掛けた。

左腕がない。

“Hi, how are you? It’s beautiful, isn’t it?” 僕は西の空に目を細めながら声を掛けた。彼はただ笑顔のまま頷いている。どうやら英語が通じていないようだ。それでも僕は英語で話しかけた。クメール語はちっともわからないから、仕方ない。彼は主にクメール語で僕に何かを伝えようとし、ときおり英単語を並べた。あまりよくわからなかったが、とりあえず、日本人であることやお互いの年齢などは理解し合えたようだった。

話の中で、彼の腕について聞いてみた。カンボジアで腕のない人を見ると、僕はとっさに地雷や不発弾を想像する。しかし、彼の場合は違った。子供の頃に、病気を患って、切り落としたそうだ。医学の知識のない僕にはあまりよくわからなかった。ただ、僕ら日本人にとってたいしたことのない病気でも、この国では大事になってしまうということだけはよくわかった。

西の空がオレンジ色になり、やがて幕が下りてきた。地平線まで幕が下りたところで、僕らは部屋へ戻り、そのまま眠りについた。

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