カンボジア

カンボジア女性社会起業家の話

Vannary San
Photograph: Kayo Takahashi

「プノンペンのおしゃれな場所は?」と聞かれたらどこをお勧めするだろうか。

海外観光客や外国人駐在員に人気のストリート240がまず頭に浮かぶ。ノロドム通りと王宮に挟まれ、アートショップ通りからも程近い100メートルほどのストリート240はプノンペンの中でもひときわモダンな通りのひとつであろう。街路樹の緑豊かな通りにはカフェ、雑貨屋、ワイン専門店、チョコレート専門店、ブティック、ジュエリーショップやチャリティーショップなどセンスの良く心地の良い店たちが軒を連ねている。

Photograph: Kayo Takahashi
Photograph: Kayo Takahashi

この通りに「ルータス・シルク」というブティックがある。ストリート240にぴったりの おしゃれなハンドメイドの洋服屋さんである。モダンな店の多くが在住フランス人など外国人経営者によって経営されているなかで、 「ルータス・シルク」はカンボジア人女性社会起業家により経営されている。

オーナーのヴァーニー・サンさんは30代の若き女性起業家。大学を卒業後、国際NGOに勤務しカンボジアの貧困や格差の問題解決に向けて尽力してきた。しかしNGOで活動する中で、ヴァーニーさんの中で 問題意識が生まれてきた。「援助に頼る以外にカンボジアの人々の生活を良くする方法はないだろうか」「女性の社会的な地位を向上させるために出来ることはないだろうか」。仕事で度々目にするカンボジアの衣料生産現場の劣悪な環境にも憤りを感じていた。

Photograph: Kayo Takahashi
Photograph: Kayo Takahashi

そんな問題意識の中でたどり着いた先が、「ルータス・シルク」の起業であった。職業訓練を従業員に施すことで質の高いハンドメイド商品を提供すること、従業員にフェアな労働環境と賃金を保証すること、商品に使われる素材が環境に配慮したもの(エシカル)であることを約束している。現在10名(女性8名、男性2名)のカンボジア人テーラーを雇用、人材育成を目的としたインターンの受け入れも行っている。「カンボジア人により経営・生産された」商品を提供することが誇りだ。

「これまでのどこか野暮ったい、いかにも『フェアトレードです』という商品ではなく、質もデザイン性も高く世界のどこへいっても恥ずかしくない商品を提供していきたい」とヴァーニーさん。このような社会起業がカンボジアに普及していくこと、また彼女のような若き女性経営者が が次世代のロールモデルとなりカンボジアの女性の地位向上を体現する存在となることを期待している。

 

ルータス・シルク(Lotus Silk
#57, St.240, Sangkat Chey Chum Nas, Khann Daun Penh
Phnom Penh, Cambodia
(+855) 17 556 226

 

 

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