タグ: コラム

インドネシア

インドネシアの社会保障改革と文化的障壁:対立を避ける社会が生む政策の停滞

Photograph: Ippei Tsuruga

インドネシアは現在、社会保障制度の方向性について重要な岐路に立っている。国家開発企画庁(Badan Perencanaan Pembangunan Nasional: BAPPENAS)が策定し、ジョコ・ウィドド大統領が2024年の退任前に承認した国家長期計画(Rencana Pembangunan Jangka Panjang Nasional: RPJPN)では、2045年までの20年間でインドネシアが目指すべき方向性が示されている。

インドネシア

インドネシアの政策対話と社会構造の課題

インドネシアの政策対話と社会構造の課題

インドネシアは2023年に65歳以上の人口が全人口の7%を超え、国際連合人口基金(United Nations Population Fund: UNFPA)の定義による「高齢化社会」に突入した。多くのインドネシア人やメディアは依然として「人口ボーナス」を語り続けているが、財務省や人口動態を研究する専門家の間では危機感が広がっている。推計によれば、インドネシアは2045年頃に高齢者人口が14%を超える「高齢社会」へと移行する見込みである。

インドネシア

メーデーでインドネシア大統領が約束した3つのこと、アウトソースの禁止など

Photograph: Ippei Tsuruga

2025年5月1日、インドネシアのプラボウォ大統領がスカルノ大統領以来初めて現職大統領としてメーデーの全国集会に参加し、注目を集めている。労働組合の幹部やメンバーが集まる場で行われたスピーチでは、労働政策に関する3つの重要な約束が表明された。

インドネシア

インドネシアの社会保障改革が実施機関に与える影響

インドネシアの社会保障改革が実施機関に与える影響

私はインドネシアにおける社会保険制度の実施について学ぶため、BPJS雇用(BPJS-TK)事務所のひとつを訪問した。BPJS-TKには様々な機能を持つオフィスがある。このオフィスは第一種事務所で、本社に次いで大きな支店である。このオフィスには約30人のスタッフがおり、そのうち20人がメンバーシップ課で、10人がサービス課で働いている。サービス課のスタッフは2つのグループに分かれており、3人の職員がフロントエンドサービスを提供し、残りはバックオフィス業務を行う。