マラウイ

マラウイ・コタコタ動物保護区、再開発の裏側-影響を受けた村人達

Photograph: Sachiko Hara
Photograph: Sachiko Hara

政府によって、「African Parks Project」という動物保護区を守る活動が、マラウイのコタコタで行われている。コタコタ動物保護区(Nkhotakota Game Reserve)はマラウイ国内の保護区の中で最も歴史が古く、国内の保護区としては最も大きい1,750km²の面積を持つ。マラウイにとっては貴重な観光資源があるが、保護区内の動物は少なく、国内の他保護区に比べても有効活用されていない。

マラウイやコタコタへの観光客を増やし、経済を盛り上げるという目的で、近年マラウイ政府はコタコタ動物保護区(以下、動物保護区)の再開発に力を入れている。

今日は、そんな政府の一大プロジェクト動物保護区の再開発によって影響を受けた村人の話だ。

 

移住を余儀なくされる村人と政府の援助

動物保護区は広大な土地のため、保護区内には村があり、村人は通常の生活を送っていた。また、象牙などを得る目的で、動物ハンターが一時的に住んでいた。

今回のプロジェクトを通じ、政府は動物保護区内に新たに2つの電気柵を作ることを決めた。柵内に住んでいた村人は移住を余儀なくされ、動物保護区外に村を移動させられた。

1本目の柵内に村人は立ち入ることができ、今まで通りフルーツや作物、まきなどを取ることができる(もちろん動物を殺すことは禁止) 。

2本目の柵の中は、完全立ち入り禁止区域になり、政府はライオンや象などの動物をザンビアから連れてくることを予定している。

Cage, Image

政府からの強制退去だが、一方で政府は援助を約束している。運営しているNGOスタッフによると、政府の援助に村人は喜んでいるとのことだった。果たして移動した村人全員が喜んでいるのかは分からない。

援助の一環としては、新しい家を建築する費用や新しい井戸を設置する取り組みが行われている。

Photograph: Sachiko Hara
Photograph: Sachiko Hara

井戸を設置するプロジェクトの様子。動物保護区内に住んでいた村の住民が10人集まり、井戸を管理する委員会(WPC: Water Point Committee)を立ち上げ、井戸の管理方法を学ぶ。

Photograph: Sachiko Hara
Photograph: Sachiko Hara

政府によって設置された井戸。政府支援は井戸のみで、住民自身が周りに柵を立てたり、水路を掘ったり環境を整える予定だ。

Development Plan, Malawi

今回設置されたWPCは、村人によって構成される日本でいう住民組合のようなものだ。マラウイの農村のコミュニティは、以下の組織レベルで運営されている。今回のWPCは住民によって運営される最下層の組織だ。住民自身が自分たちの生活改善を行えるような仕組みになっている。

 

今回のAfrican Parks Projectによって、住居の移動を余儀なくされた人がたくさんいる。生活は変化したが、それによって政府の援助も得た。

確実なのは、住んでいる村人には選択肢がないということだ。政府から援助をもらえるというなら、村人は移動するしかない。

「マラウイへの観光客を増やす」というマクロな視点での経済政策はとても大切であるが、その裏には「その地域に住む村人への影響」というミクロの視点があることを忘れてはいけない。

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