インド

インドの大学入試で見た差別と配慮

こんにちは。伊藤彩乃です。先月からThe Povertistにて、インドの大学院生活について書かせて頂いています。2018年6月から南インドチェンナイにあるロヨラ大学院で、ソーシャルワークを専攻しています。

前回の記事では、なぜインドの大学院に進学したのか、その理由を説明しました。今回はインドの大学院が実際にどのような仕組みになっているのか、私の経験を元にお話したいと思います。とはいっても、これからお話することが、インドの全ての大学院に共通するものではなく、使用言語や留学生受け入れなど州によって、学校によって大分異なることをご理解ください。

まず私の通っているロヨラ大学院は、留学生受け入れの制度がほとんど整っていません。 学生ビザを取得するには進学先の大学からの入学許可証が必要ですが、ロヨラ大学院の入学試験は現地でしか受けられないため (そもそも入学試験の日程も現地で確認するまでわからず・・・)、学長や学部長らと連絡を取りながら事前に入学許可証を発行してもらい、学生ビザで入国しました。つまり、入学許可証を手にした状態で入学試験を受けたことになります。

入学試験も日本とは異なる様々な制度を取り入れています。その一つに、学生の合否には積極的差別が働いている、ということが挙げられます。英語ではAffirmative Actionと言われ、アメリカなど世界各地で話題(問題?)となっている制度です。皆さんもご存じの通り、インドではまだまだカーストや経済的ステータスによって、生活の質や受けられる教育に大きな差が生じています。よって、学生の合否を決める際にはカーストや経済的ステータスをもとにカテゴリー化し、各カテゴリーの中で平等に審査しています。この制度によって、「カーストの低い学生」、分かりやすく言えば、「村出身で英語もほぼ話せず、テストの結果が良くない学生でも十分に合格できる可能性がある」、ということです。障害を持つ学生も同様です。また、クラスには必ず神父様・シスターを入れる、という決まりもあり、私のクラスにも3人の神父様とシスターが1人います。この制度は大学側が正式に発表しているものではないため、実際にどのくらいの割合で行われているのか分かりません。カーストについては、日本人である私にはまだまだ分からない部分も多いですが(インド人は名前で分かるそう)、経済的ステータスは私が現在所属するクラスでも一目瞭然です。

さらに、経済的配慮も行われています。クラスは午前と午後のクラスで分かれる二部制を取り入れています。これを私達はシフト1(午前の部)、シフト2(午後の部)と呼びます。シフト1には比較的経済的に余裕のない学生が選ばれます。シフト1の授業料は政府からの援助金によってかなり抑えられており、2年間で10万円しないほどです。一方シフト2には比較的経済的に余裕のある学生が多く、授業料もシフト1の4倍程です。同じクラスの中でも経済的な違いは明らかですが、シフト1と2ではさらに顕著に表れています。持ってくるお弁当だったり、お昼に行くホテル(インドではレストランをホテルと言います)のランクだったり、さらには電車やバスなどの公共機関を使うか三輪自動車(Autoというタクシーのようなもの。30分の距離でも300円ぐらいですがバス電車だと20円ぐらい)を使うかなど、一緒に生活しているとふとした時に感じるものがあります。

これまで説明したように、クラスには様々なバックグラウンドを持つ学生が所属しています。大学の授業やテストは一律で英語ですが、ソーシャルワーク学部はコミュニティーに入っていく事がおおいので、その際には全て現地語であるタミル語行われます。それぞれ英語のスピーキングが出来てもライティングが苦手だったり、英語は出来ないけどタミル語のライティングが得意だったり・・・。これまでの受けてきた教育によって出来ること出来ないことが異なるため、お互いに協力し合いながら一つ一つのカリキュラムを乗り越えています。月火金土曜日はクラスで通常の授業を行い、水木曜日はそれぞれ各NGOに派遣されフィールドでの活動を行います。私は去年、Indian Council for Child Welfareのスポンサーシップ部とチャイルドライン部で働き、今年からはInstitute of Social Educationにてユニセフからのサポートのもと、Child-Friendly Schools and Systemsというプロジェクトを実施しています。来月はこれらの経験をお話できたら、と思います。

クランドファンディングについて

前回の記事で、私が立ち上げたクラウドファンディングについて、紹介させていただきました。そして、皆さまのご協力のもと、無事に目標金額56万を達成することが出来ました。ありがとうございます。目標金額達成後、残りの支援期間を無駄にしない様、ネクストゴールを設定しました。ARK初、大学進学を果たした2人の女の子の1年間の学費です。この記事が公開される頃には支援期間が終了しています。また来月、詳しく結果報告したいと思います。

食の支援を通してインドのHIV感染した女の子達を守りたい! – クラウドファンディング Readyfor (レディーフォー)

インドタミルナードゥ州チェンナイにあるARKで、HIV感染によって帰る場所がなくなった10人の女の子達に1年分の食事をサービスします – クラウドファンディング Readyfor

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