ラオス

タラートサオ市場でシャツを買う-ラオス伝統料理とビアラオで乾杯

Lao Currency
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東南アジアレポート 10-ビエンチャンの市場

2007年11月14日 Vientiane (Laos)

少しいつもと違った気持ちで朝を迎えた。ある意味、就職活動の日なのだから無理も無い。生まれてこの方、職員訪問というものを一度もしたことがないため、何をどうしてよいのかさっぱりわからなかった。たいていはリクルートスーツに身を固め、右手には黒く四角いバッグを提げて行くのだろう。しかし、ここはラオスである。身を軽くしようと思って持ってきた小さなリュックサックに、まさかスーツなど入れてくるはずも無い。当初は、「普段着で伺うことになっても仕方ない」と思っていたものだった。

しかし、やはり直前になると人間焦るもので、徐々に不安が足音を立てて近づいてくるのがわかる。結局、早朝に飛び起き、街の中心部にあるタラットサオと呼ばれる朝市へシャツを買いに出かけることにした。ところが、思わぬカルチャーショックを受けることとなった。いつものように両替所へ向かったものの、窓は閉じたままだし、「朝市」へ行ってもまだほとんどの店が閉じたままだった。これは8時30分をとっくに過ぎた頃の話であるから驚きだ。中学校の修学旅行で 生まれて初めて函館の朝市へ行ったとき、8時半は閉店間際だということに驚いたのを鮮明に覚えている。それがラオスでは9時開店なのである。

仕方ないので、9時まで待ち、青色のワイシャツを探すことにした。この朝市は大きな建物の中に所狭しと店が設けられ、人が一人通れる程度の小道を残して、 雑然とモノが並べられている。その間を買い物客は掻き分けて前へ進む。そうしてフラフラと歩き回っていたときに、紳士服屋を見つけた。偶然にも目当ての水色のシャツを見つけ、値段を聞いてみることにした。

Joe Guest House
Joe Guest House

若い店員が拙い英語で「350B(=10.5$)でどうか」と尋ねてきた。この旅の一日の予算は15ドル。これは明らかに手が出ない額だった。一瞬渋った僕の顔を見て「安くするよ」と店員が言う。商売人の目だ。どうしようかと考える間も無く口をついて次の言葉が飛び出した。「200B(=6.5$)なら買うよ」自分でも少し驚いた。旅にも少し慣れてきたこともあって、ここで少し冒険してみたくなったのだ。たいてい外国人を見つけるとかなり吹っかけて値段を提示してくることは知っていた。だから今回は半額に近い額で応戦することにしたのだった。結果的にそれが功を奏すこととなった。「それは無理です。 280B(=9$)なら」というので「250B(=8$)で買うよ」と言った。そこで取引が成立した。縫い目は多少粗いが、生地は良質で、日本で買えば5,000円くらいしてもよいのではないだろうか。いったい彼女はいくらでこのシャツを仕入れたのだろう。

Joe Guest House
Joe Guest House

午後の約束の時間までゲストハウス近くの食堂で、話の内容を考えていた。忙しい中時間を割いてくれるのだから、充実したものにしたかった。結局、質問項目でB5のノート1ページが真っ黒になった。

そしていよいよ、訪問の時間。日本で知りあった職員の方だったが、少し日に焼けていたせいか、痩せたようにも見えた。新しい環境での仕事はやはり大変そうで、楽しみ半分、忙しさ半分のようだった。仕事内容は僕が把握していることから、裏の話、プライベートの話まで、いろいろ聞くことができた。そこで夕飯のお誘いを受け、仕事終わりにもう一度会うこととなった。

夕方6時頃になると街は真っ暗になる。遠くから白人の集団が騒ぎながらやってきたり、日本名の居酒屋なんかも街に明かりを灯していた。あまり夜は出歩かないようにしていたため、少し新鮮な気持ちになった。

緊急の会議が入ってしまったらしく、20分程外で待っていたときに、そこで数人のドライバーたちが目に入った。そのうちの一人に「なかなか出てこないんだよ」と話しかけると「会議かなぁ?俺も待っているんだよ」と彼が言う。話を聞いてみると、彼らは皆そこで働いている日本人職員の専属ドライバーということで、月120ドルくらいで雇われているとの事だった。

夕食時に聞いてみたところ、個々の職員が自腹で雇っているそうで、職員の中にはメイドを雇ったりしている人もいるそうだ。ラオスが如何に治安のよい国であっても、日本で暮らすことに比べるとやはり不安は尽きない。そのため、日本で暮らしていた時よりも家賃の高い家に今は住んでいると職員の方が教えてくれた。

ビアラオ(ラオスの地ビール)と共にラオスの伝統料理をたらふくご馳走になり、ゲストハウスに送り届けてもらって、その日は帰路についた。職員訪問をした身としてはお土産の一つも持っていかずに、逆にご馳走までしていただき、感謝してもしきれない気持だった。この恩は、将来自分が一人前になって返したいと思う。

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