ベトナム

時を忘れさせるほどの魅力に溢れる国、ベトナム

Photograph: Kuniharu Yamada

ベトナムの観光業は、ベトナム経済の成長を牽引する重要な柱の1つである。今、世界中から注目されている観光地としてのベトナムの魅力を、ベトナム政府による観光促進の取り組みとともに、JICA青年海外協力隊としてベトナムの農村開発支援NGO「VIRI」で活動中の山田邦永が紹介する。

拡大するベトナムの観光市場

“Timeless Charm” ― ベトナム文化・スポーツ・観光省により打ち出された本観光スローガンの下、ベトナムにおける観光市場は急激に拡大している[1]

2017年にベトナムを訪問した外国人は約1,300万人であり、世界31位の人数である。これは、東南アジア諸国ではタイ(約3,500万人、世界10位)、シンガポール(約1,400万人、世界28位)、インドネシア(約1,300万人、世界30位)に次ぐ人数である[2]。また、2017年にベトナムを訪問した日本人は約80万人であり、2013年以降、年平均7.2%ずつ増加している。さらに、2018年のベトナム国内にけるベトナム人の旅行者数は約8万人であり、2014年以降、年平均20%ずつ増加している[3]

ベトナム政府による観光促進の取り組み

2011年から2016年まで、ベトナム文化・スポーツ・観光省は在越欧州連合代表部(Delegation of the European Union to Vietnam)とともに、1,210万ユーロ(約15億円)のプロジェクト予算の下、Environmentally and Socially Responsible Tourism Capacity Development Programme(ESRT)を実施した。本プロジェクトでは、ベトナム観光業界の戦略として環境的及び社会的に責任のある観光サービスの提供を促進することを目指し、政策支援及び制度強化、製品の競争力向上及び官民パートナーシップの促進、並びに、観光分野における職業教育及び職業訓練の実施の、3つの領域に取り組んだ。

さらにベトナム政府は、SDG 12 「つくる責任、つかう責任」に含まれるターゲットの1つとして、「持続可能な消費と生産に係る10年計画の枠組み(the 10-Year Framework of Programmes on Sustainable Consumption and Production: 10YFP)」を実行している。10YFPは2012年にリオデジャネイロ(ブラジル)で開催された 「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」 で採択された、国際協力を促進し持続可能な消費と生産へのシフトを世界中で加速させることを目指すための枠組みで、「持続可能な観光(Sustainable Tourism)」を含む6種類のプログラムで構成されている。One Planet Networkは10YFPの実行のために設立されたネットワークである。

ベトナムの多種多様な観光資源(2019年7月時点)

Photograph: Kuniharu Yamada

ベトナム国立公園

ベトナムには33の国立公園がある。国立公園Con Daoには、自然環境と地域社会との共生を理念とするリゾートSix Sensesがある。国立公園当局と協力してリゾート敷地内にウミガメの孵化場を設置し、近隣の島々での密漁等の脅威から卵を保護しており、5~10月頃にはウミガメの産卵・孵化を見学することができる。

UNESCO世界遺産

ベトナムには8つの世界遺産(文化遺産5つ、自然遺産2つ、複合遺産1つ)がある。自然遺産と同時に国立公園でもあるPhong Nha – Ke Bangには、多くの観光客の訪問するフォンニャ洞を含む、大小約300の鍾乳洞がある。幻想的でフォトジェニックなソンドン洞は世界最大の洞窟で高さは200mにも及び、訪問するには3泊4日、約32万円のツアー参加が必須である。

UNESCO世界ジオパーク

ベトナムには2つの世界ジオパークがある。世界ジオパークDong Vanでは、壮大な山岳地帯の景観を駆け抜けるHa Giangマラソンが開催されている。また、テレビ番組「こんなところに日本人」や「世界ふしぎ発見」で紹介された古民家カフェCuc Bac(最北の意)があり、少数民族ロロ族の衣装を試着することもできる。

UNESCO生物圏保存地域

ベトナムには9つの生物圏保存地域がある。国立公園Bidoup Nui Baを含む生物圏保存地域Langbiangの名称は、かつて深く愛し合った男女の名前、K’LangとH’Biangに由来する。敵対する民族同士の2人は山奥へ駆け落ちするも命を落としてしまう。その後、両民族は統一されK’Ho族となった。K’Ho coffeeではコーヒー農園を一望しながら絶品アラビカコーヒーを楽しめる。

UNESCO無形文化遺産

ベトナムには12の無形文化遺産がある。無形文化遺産の民謡ビーザムは、ベトナム建国の父ホーチミン氏の生家のあるゲティン地方で歌われている。両親への敬意、愛情、勤勉さ、誠実さ等、大切にする価値観や美徳とすることが、シンプルで素朴な調べに乗せて、ゲティン地方の方言やゲティン地方独特の表現を使って綴られている。

ギネス世界記録

ベトナムにはロープウェイ・ゴンドラリフトに関する6つのギネス世界記録がある。テーマパークSun World Ba Na Hillsには最大高低差(1,368m)及び最長運行距離(5,801m)のギネス世界記録を持つゴンドラリフトがあり、その先には2018年6月の完成直後から世界的に注目を浴びている、巨大な両手に支えられた黄金の橋Golden Bridgeがある。


[1] FamilyBreakFinder. 2019. Every Country’s Tourism Slogan.
[2] 日本旅行業協会. 2019. 数字が語る旅行業2019.
[3] Q&Me. 2019. Vietnam consumer trend 2019.

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