タイ北部の洞窟に閉じ込められたサッカー少年らのニュースが世界中を駆け巡ってから、早いもので数カ月が過ぎた。その間にこの出来事は、いろいろな面で普段は知ることができないような話題を提供してくれた。
東南アジア
被災するインドネシア、地震と失業と雇用保険
インドネシアで地震による被害が拡大している。この国で社会保障整備を仕事としている身としては、どこかのタイミングで災害と社会保障についてプレゼンせねばと思っている。
経済成長、進むスラム化
日本は過疎化が進み、農業後継者不足が大きな問題となって久しいが、同じような問題が今、東南アジアの各地で起きている。今、私が住むタイでは、1970年代からの急速な経済成長が新たな産業と貿易、経済活性化をもたらし、多くの雇用を生み出した。その底辺にいたのが貧しい農村から都市部へ職を求めて移動した港湾労働者や日雇い労働者たちだった。
今、戦場に立っている
今、戦場に立っている。戦の狼煙があがれば、政府、労働者、使用者が四方八方から一気に攻め込む。国際労働機関(ILO)は政策論争と政治の駆け引きが入り乱れる戦場のど真ん中に陣を構える。その役割は喧嘩の仲裁ではなく、全員が勝つための戦略を一緒に練ること。
雇用保険制度の導入を議論するインドネシア
インドネシアで雇用保険制度の導入が議論されている。現在の社会保険制度は、労災補償、死亡保障、年金保障、老齢保障の4本立てとなっており、労働社会保障機関(BPJS Employment)が実施を担っている。ここに5本目の柱として雇用保険制度を新たに導入するための議論が展開されている。
ベトナムで収入向上支援プロジェクト、青年海外協力隊×福島の和菓子職人
JICA青年海外協力隊としてベトナムで活動中の山田邦永氏が、配属先のNGOである「VIRI」と福島県二本松市の菓子職人である松本克久氏と協力し、ゲアン省ナムダン県で葛(くず)を使った新しいお土産開発を進めている。
深刻化する「格差」問題
国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)がアジア太平洋地域における持続可能な世界共通目標(SDGs)の2030年達成に向けた進捗状況を発表した。その中で気になったことが一つある。それは東南アジアにおける格差問題の悪化である。
ベトナムの社会保障・社会保険改革のポイント
2018年5月、第12回ベトナム共産党中央委員会(CPVCC)が開催された。主な議題は社会保険改革に関するマスタープラン(Master Plan on Social Insurance Reform: MPSIR)で、第28号決議案が採択された。同決議は社会保障カバレッジを段階的に拡大し、すべての国民が社会保障の恩恵をあずかることを目指している。
急速に停滞するカンボジアのマイクロファイナンス業界、金利上限引き下げが影響か
急速に停滞するカンボジアのマイクロファイナンス業界。中央銀行が金利上限を18%に引き下げた影響で、今後さらに停滞することが見込まれる。
インドネシアが貧困削減へ条件付現金給付、社会保障拡充
インドネシアが貧困撲滅へ向けて社会扶助(Social Assistance)プログラム の拡充に取り組む。世界銀行から200百万ドルを借り入れ、同国の貧困層向け社会保障給付プログラムの拡充へ追加資金を投入する 。